2011年 09月 11日
新開地 |
モンバサの町には高層ビルが立ち並ぶ近代都市の顔、北海岸に代表される豪華なリゾート地の顔など、いろいろな顔があるが、町の特徴を一言で言うなら、オールドタウンとして知られる植民地以前からのアラブ、スワヒリ居住区を一方の極とし、2000年以後に南海岸のかつてのリゾート地リコーニ海岸部から白人たちが撤退(1997年の騒乱がきっかけ)した後に急速に出現したマジェンゴ・マービャ(ミジケンダ語で「新開地」)と呼ばれる、都市への出稼ぎ民が多く暮らす居住区をもう一方の極とした連続体のなかにあるといえる。旧と新とは、それくらい似通った雰囲気をかもし出している。
車の通行すら難しそうな細い道が縦横に入り組んだオールドタウン
未舗装の広い道が碁盤の目のように走っている「新開地」
この数年でドゥルマに石造りの新築家屋が増え、こうした立派な家を建てることが若い世代の人生の目標になったと書いたが、どうやらこの変化は2000年以降に出現した「新開地」における建築ラッシュがきっかけになっているらしい。カタナ君は2002年に、セカンダリスクール時代の同級生に新開地に案内され、そこに建てられつつある建物(多くは店舗と、出稼ぎ民のための賃貸部屋を組み合わせた平屋建ての建物)の一つがその同級生のものであり、それが大きな収入をもたらすだろうことを聞かされた。それに隣接する建物も、別の知り合いの持ち家だった。カタナ君は、自分が遅れをとったと思い知り、さっそくプロットを購入し、彼自身も借家の建造にとりかかった(2006年にほぼ完成し、2007年には電気も引いた。もちろん私もおおいに応援した。)。
不動産が、牛や複数の妻よりもはるかに有望な投資先であることにドゥルマの人々が気付いたのはこの時期に一致している。もちろん資金にある程度ゆとりがある人以外にとっては、所詮夢に過ぎないが、まさに夢としての魅力には満ちていた。そしておそらく現金を生む家を新開地に所有できるかどうかで、同じドゥルマの人々の中に、以前にはなかったようなはっきりした階層分化が生まれつつある。
新開地は、電気は半数以上の家で利用可能だが、水道はまだ来ていない(手押し車に水タンクをのせて売り歩く商売がさかん)。ごみ処理のシステムもなく、道路には腐敗臭がただよっている。道路も未舗装だ。しかしその拡大の勢いはますます増し、町は活気にはあふれている。
車の通行すら難しそうな細い道が縦横に入り組んだオールドタウン
未舗装の広い道が碁盤の目のように走っている「新開地」
この数年でドゥルマに石造りの新築家屋が増え、こうした立派な家を建てることが若い世代の人生の目標になったと書いたが、どうやらこの変化は2000年以降に出現した「新開地」における建築ラッシュがきっかけになっているらしい。カタナ君は2002年に、セカンダリスクール時代の同級生に新開地に案内され、そこに建てられつつある建物(多くは店舗と、出稼ぎ民のための賃貸部屋を組み合わせた平屋建ての建物)の一つがその同級生のものであり、それが大きな収入をもたらすだろうことを聞かされた。それに隣接する建物も、別の知り合いの持ち家だった。カタナ君は、自分が遅れをとったと思い知り、さっそくプロットを購入し、彼自身も借家の建造にとりかかった(2006年にほぼ完成し、2007年には電気も引いた。もちろん私もおおいに応援した。)。
不動産が、牛や複数の妻よりもはるかに有望な投資先であることにドゥルマの人々が気付いたのはこの時期に一致している。もちろん資金にある程度ゆとりがある人以外にとっては、所詮夢に過ぎないが、まさに夢としての魅力には満ちていた。そしておそらく現金を生む家を新開地に所有できるかどうかで、同じドゥルマの人々の中に、以前にはなかったようなはっきりした階層分化が生まれつつある。
新開地は、電気は半数以上の家で利用可能だが、水道はまだ来ていない(手押し車に水タンクをのせて売り歩く商売がさかん)。ごみ処理のシステムもなく、道路には腐敗臭がただよっている。道路も未舗装だ。しかしその拡大の勢いはますます増し、町は活気にはあふれている。
by Kalimbo_mwero
| 2011-09-11 23:14
| anthropology
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