+++Retro*Spectrum+++ :music2009-06-06T22:07:50+09:00Kalimbo_MweroLooking back you just see many colors...Excite Blog遺作http://kalimbojp.exblog.jp/9826454/2009-06-06T22:07:48+09:002009-06-06T22:07:50+09:002009-06-06T22:07:50+09:00Kalimbo_Mweromusicつい最近亡くなったような気がしていたが、シュニトケが死んでもう10年もたっていた。旧ソヴィエトの「現代音楽」作家で、現代音楽というには比較的親しみやすい作風もあって、身構えなくても聴けるけっこう好きな作曲家。有名なコンチェルト・グロッソの1番は最近のジャパニーズ・ホラー映画風テイスト(どんなやねん?)もあったりして聴いていて楽しいし、マーラーの学生時代の習作のピアノ五重奏を、なんだか現代音楽風に完成させたやつとかも、面白がって聴いていた(感動を求める聴き方じゃないな、どうも)。
その未完の遺作「交響曲9番」の補筆完成版(ラスカトフによる)の初録音が今年になって出ていたことを知り、さっそく注文していたのが今日届いた。作曲当時、シュニトケはもう寝たきりで、死ぬ直前まで曲を作り続けていたそうだが、昔の才気あふれる感じとはうってかわって、く、暗い。ひたすら内面に沈み込んだような調子で、終わり近くにすこしにぎやかになるが、盛り上がりというのとはちょっと違う。そう、スェーデンの暗黒作曲家アラン・ペッテションとちょっと似た雰囲気だ。いや、嫌いではないが、朝からバファリンがぶ飲みでも直らない頭痛と戦っている耳には、ちょっと堪えたりした。
]]>シュミットhttp://kalimbojp.exblog.jp/9193741/2009-01-12T23:56:00+09:002009-01-13T09:23:04+09:002009-01-13T00:39:37+09:00Kalimbo_Mweromusic夕方から九州の研究仲間との内輪の読書会だったが、朝からネコの調子がまた悪いので、早々に引き上げ。12月以来、どうもコヤツ、病弱になってしまった。
夜も遅いので室内楽ということで、フランツ・シュミットの左手のピアノのための五重奏を久々に取り出して聴く。フランツ・シュミット、ウィーン宮廷歌劇場管弦楽団のチェロ奏者としてマーラーの指揮のもとで演奏、マーラーに対してはちょっと反抗的だったらしい(うむ~)。シェーンベルグと全く同時代だが、その後期ロマン主義の作風はもっぱら保守的と評されている。でも、先端的でとんがってればいいというものじゃない。後に妻が精神を病み、一人娘にも死なれた痛手は、その寂寥と悲哀に満ちた音楽――交響曲第4番はそのきわみ――にも影を落としているみたいだ。このピアノ五重奏だが、ピアノが押し付けがましく自己主張せず、みごとに弦楽ととけこんでいる。こうした絶妙のバランスというか中庸さというかはとってもいい。第三楽章の澄み切った哀感と優しさにあふれる音楽は、そこだけ何度もリピートで聴きたくなるような、私のなかでもベスト10に入る名曲。]]>お花畑http://kalimbojp.exblog.jp/9179615/2009-01-09T23:02:00+09:002009-01-11T21:19:07+09:002009-01-09T23:02:51+09:00Kalimbo_Mweromusicスウェーデンに同じくペッテションという名前を持つ作曲家が二人いる。アラン・ペッテションがひたすら暗く、重く、救いのない悲痛な音楽を書き続けたとすれば、もう一人のペッテション-ベリエルの方は優しく、おおらかでロマンティック。アラン・ペッテションの黒いキャンバスに黒い絵の具を塗りたくったような音楽もぞくぞくするくらい神経に突き刺さるのだが、こちらの体調が相当良くないと集中して聞くのはつらい。というわけでついついペッテション-ベリエルの方に手がのびる。最近、寝る前に聴いているのが、このピアノ曲集「フレセの花々」。あまりポピュラーではないかもしれないが、珠玉のような愛らしい曲たちで、スウェーデンの田園風景が目の前に浮かんでくるようだ。もちろん私はスウェーデンに行ったことなどなく、スウェーデンの田園風景がどんなものか知る由もないので、私の貧弱な想像力が描き出すそれは、せいぜい能古島の菜の花畑だったりするのだが。]]>いまヴィヴァルディが...http://kalimbojp.exblog.jp/9164892/2009-01-06T19:59:00+09:002009-01-06T20:38:58+09:002009-01-06T19:59:31+09:00Kalimbo_Mweromusic
お正月休みに前後して久々にヴィヴァルディにはまったりしていた。孤児や捨て子を収容する「病院」で子供たちにヴァイオリンを教え、自作の曲を演奏させて大人気作曲家に!その絶頂期には「病院」との契約で、毎月2曲を作曲していたとか、すごすぎ!ただ晩年は不遇で、ベネツィアを追われるように去ったのち、ウィーンでなぜか無一文のうちに死んで救貧院の墓地に人知れず埋葬されていたり、ちょっとかわいそう。
555曲を作曲したのではなく、同じ曲を555回リライトしたのだ、とか陰口たたかれたりしてますが(この評価にも一理あるような気もするが)、やっぱり大天才、赤毛の司祭。いまだに彼の埋もれていた作品が新たに発見されたりしているのだ。というわけで、この数年に発売された、こうした「新曲」の初録音CDを3枚ほど入手して、新春気分のなか聴きまくっていた。
2枚組みの Early Violin Concertos: Deuter(Vn)Harmonie Universelle、そしてカルミニョーラの5 Violin Concertos: Carmignola(Vn)Marcon / Venice Baroque Orchestra とLate Violin Concertos: Carmignola(Vn)marcon / Venice Baroque orchestra の3枚。やっぱりいかにもヴィヴァルディなものばかりと言えば言えるのだが、最後の後期ヴァイオリン協奏曲集にはカルミニョーラの斬新な演奏のせいもあってか、新鮮な驚きがつまっている感じ。たいへん気に入って繰り返し聴いて、そろそろ耳にこびりついてきた。
今月末には、2007年中に新たに「発見」された作品をまとめたCDの発売も予定されている。ヴィヴァルディ、まだまだ楽しめそう。
]]>ぱやぱや~http://kalimbojp.exblog.jp/9048219/2008-12-11T20:04:00+09:002008-12-11T22:12:34+09:002008-12-11T20:04:55+09:00Kalimbo_Mweromusicすでにずいぶん以前のような気がするが、イシグロの Never let me go を読んで、タイトルになっているその曲を聴きたくなり、注文していた。このジャンルの音楽にはまったく明るくないので、HMVのサイトで、女性シンガーかつ安いという条件のみで1枚選んだのだが、それが今頃になってとどいた。わくわくしながら流しはじめる。ん?ジャズだと思っていたのに、なんだか軽いアメリカンポップ風の曲から始まる。イージーリスニングそのもの。私はイージーリスニングが苦手なのだが、まあ、それは許す。問題はバックコーラスがぱやぱや~とか歌ってること。別に秘密にしていたわけではないが、私はぱやぱや~を激しく苦手とするところの者である。イージーで軽くてぱやぱや~な曲の連続にげんなりしつつ、我慢して最後の曲 Never let me go が始まるのを待つ。が、恐れていたとおり、やはりイージーでぱやぱや~。おまけに、あろうことか「うふふ」とか「あは~ん」とかの声まで入っている。いやぁ、これはないでしょう?私は「うふふ」とか「あは~ん」も同様に苦手とするところの者であり、CDをプレーヤーから引き出してハンマーで粉々にしたくなった。直後にベートーベンの「荘厳ミサ曲」(なんでやねん)を聴いて口直しせねばならなかったほどである。もちろんこれは、変人であるところの私の個人的感想であり、きっと好きな人にとっては良いCDなのだ、かもしれない。
しかしそれにしてもイシグロの小説の中での使われ方のイメージとはあまりにも乖離しているので、タイトルが同じなだけで全く別の曲を買ってしまったのではないかという疑いがにわかに大きくなる。かと言って、もう一枚別のを注文する気にもなれないしなぁ。
今のところ、喜んでいるのは新しい箱を入手したコヤツくらいのものである。]]>再マルタンhttp://kalimbojp.exblog.jp/9018769/2008-12-04T23:25:00+09:002008-12-05T11:41:53+09:002008-12-05T11:41:53+09:00Kalimbo_Mweromusic先日入手したフランク・マルタンの「地に平安あれ」だが、何度か聴くうちにどうもいまいち感が。ドイツの観光都市ヴィースバーデンのバッハ合唱団+バッハ管弦楽団+クラウス・ルートヴィッヒ指揮(西ドイツメリスマ・ミュージック)という、私としてはあまりよく知らない演奏者&レーベルのCDだったのだが、すぐ未知のものに興味を出してしまう私の悪い癖が出てしまった。演奏が悪いというよりも、録音がおそらくだめなのだろう。オケと合唱のバランスが悪く、合唱がなにやら前でがなりたて、オケが後ろの方でしょぼしょぼ演奏しているといった風情なのだ。素直にLPと同じアンセルメ+スイスロマンド管弦楽団の演奏にしておくべきだった..... というわけで、翌日即再注文していたのだが、それが今日届いていた。
いやぁ~、やっぱりこれですがな~!優しく慰めるように限りある命の空しさを歌い、最後に明るい希望へと静かに盛り上がっていく、私が大学一年次に繰り返し繰り返し聞いていたのはこの曲でした!当時はまだ作曲者マルタンは存命中。
このCDは、2枚組みで、「地に平安あれ」以外にもバイオリン協奏曲等マルタンの管弦楽曲がたくさん集められており、スイスの作曲家マルタンの、軽妙で才気にあふれた色彩感豊かな音楽が楽しめる。マルタンいいかも。(最初からこっちにしておけばよかったのに~。値段も安いし。)]]>地上に平安http://kalimbojp.exblog.jp/8959651/2008-11-22T21:41:00+09:002008-12-03T10:01:26+09:002008-11-22T21:42:12+09:00Kalimbo_Mweromusic先週、あるはずの本がどうしても見つからず(そればっかし)、家捜ししていたときに天袋にあった未開封の段ボール箱をあけると処分したはずのLPレコードが50枚ほど入っていた。80年代末に、ディジタルに移行したときに、愚かにもLPを思い切り良く全部処分したのだが、処分し忘れたのが一箱残っていたらしい。別に貴重なLPというわけでもなく、廉価版やらなにやら玉石混交のなかに、一枚フランク・マルタンのIn Terra Paxが混じっていた。すっかり忘れていた曲だが、なんともなつかしい。大学に入学した年に新宿の紀伊国屋の2階のレコードショップで買ったものだ。アンセルメ指揮スイスロマンド管。当時は、ちょっと現代音楽っぽいものにも手を出しかけており、マルタンも未開拓の領域の一枚として買ったもの。が、現代音楽というには旋律も綺麗だし、わかりやすいし、なんだか気に入って繰り返し聴いたのを覚えている。第二次世界大戦中に作曲された、もろ平和祈願の曲なのだが、なんとなく暗いのはしかたない。でも最後は希望の光が~。今の気分にぴったり!
というわけでにわかに聴いてみたくなったのだが、LPを再生する装置がない。というわけでHMVにCDを注文していたのが、本日到来。昔の西部劇のインディアン登場みたいな旋律も出てきて、ああ、これこれ、みたいな感じ。すっかり懐旧モードなのである。
▼Total volume of music files on my computer is (今パソコンに入ってる音楽フ
ァイルの容量 )
0
パソコンで音楽聴く習慣がないものですから。
▼Song playing right now (今聴いている曲)
Beethoven 「弦楽四重奏曲14(作品131)」今日は夕食後は10番から聴き始めて、今、ちょうどこれにさしかかったところです。
▼The last CD I bought was (最後に買った CD)
Kurt Atterberg: Symphony 1 & 4 (Rasilainen, A., cond., Radio-Sinfonie- Orchester Frankfurt)先週、駅前のディスク・ユニオンで購入。アッテルベリは 1974没のスェーデンの作曲家。時代的には現代音楽でもいいはずなのですが、一貫して保守的で、まるで某国営放送の大河ドラマの音楽みたいなコテコテの交響曲を作ってます。けっこう好きなのですが、このCDは「それなり」といった感じでした。
▼Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me (よく聞く、
または特別な思い入れのある 5 曲)
Simon & Garfunkel 'America' ("Bookends"収録)
S & G はどれを聴いても30年以上前の高校時代・大学時代へ気分がシンクロしてしまうタイム・トラベル音楽。なかでもこの America。ガールフレンドと二人で深夜のグレイハウンドで旅立つ。はしゃいだり、おどけたり、やがて回りも寝静まり、ガールフレンドもいつの間にか寝息を立てている。ひとり窓の外の闇を見つめている僕。そこはかとないおだやかな寂寥感と乾いた感傷。まさに青春の気分ですよ。
Anton Webern 「弦楽四重奏のための緩徐楽章」(『ウェーベルン:弦楽三重奏、四重奏曲集』Arditti quartet)
一見禁欲的で晦渋な、ゲンダイ音楽そのものみたいな曲ばっかり作っていた感じの「あの」ウェーベルンが、結婚前の奥さんにこっそりささげためろめろにロマンティックな小品。後で恥ずかしくなったのか、自分の作品に数えることを拒み、作品番号を付けなかった。ええやんか。愛だろ、愛。
Paul Hindemith 「ビオラソナタ 作品11番の4」(今井信子さんのビオラでぜひ)
とんがったり、ぶっとんだり、おちゃらけたりで難解かつウルサイというイメージがあったりするヒンデミット。ナチスから『退廃音楽』のレッテルを貼られてしまうも、実は綺麗で新鮮な響きと美しいメロディの宝庫だったりする。このビオラソナタは、圧倒的癒し系だと思う。何かに対する憧れをたたえた、優しい慰めの音楽ならこれ。
Charles Ives 「交響曲1番」(Z・メータ指揮ロス・フィル)
アメリカの現代音楽の超先駆者アイヴズが大学在学中に作曲した最初の交響曲。うそでしょ、めちゃめちゃきれいやん、これ。青春の憧れと感傷が、美しくみずみずしい旋律となってほとばしってますよ。うん、僕にもこんな風に人生が見えていた時代があった、か弱い両足を一生懸命踏ん張って、未来をなんとか切り開こうとしていた、みたいな。大学卒業後アイヴズは、とっとと就職し、最後は保険会社の社長さんになるわけですが、それは楽壇の外にいて好き勝手したかったからで、表向きはビジネスマンになりすまして、趣味でとんでもない曲をばかすか作りまくったのでした。できる奴は何をやってもできる?シェーンベルクよりも早く無調を試み、トーンクラスター攻撃や偶然性音楽とか、ほとんどあらゆるゲンダイ音楽のやり口を時代に先駆けてすき放題にためした日曜作曲家。でもそんなことは関係なく、この学生時代の彼の曲は、僕のなかのかすかな青春の残滓を甘美に攪拌してくれるのです。
▼Five people to whom I'm passing the baton (バトンを渡す 5 名)